Amazonで何でも買える時代。酒屋の価値を高島平『若松屋酒店』三代目に聞いてきた【PR】

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こんちには、編集長のチュウゾウです。


皆さま、お酒飲んでますかー!?


お酒買う時は、コンビニとかスーパーで買っちゃいません?
もしくはAmazonって人も多いのかも。


町中華や喫茶店、銭湯だけでなく、昔ながらの酒店も減少していることは感じますよね。

実際に板橋区内で昭和54年に293店あった酒店が、平成19年には126店に減少。
そして、現在は約80店舗しか残っていないのです。

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Amazonで何でも買えるこの時代に、昔ながらの酒屋さんの価値について、新高島平にある老舗「若松屋酒店」さんに聞いてきました。

地図ではここ↓

住所は板橋区高島平5-53-2です。

写真 2017-07-04 12 03 03 (1)
位置的には新高島平駅と西高島平駅の中間地点。
高島通りにある「板橋市場入口」の信号を南へ曲がります。

写真 2017-07-04 12 01 37
2ブロック先を右に曲がるとすぐです。
途中で置き看板も出てますよ。

今回は「若松屋酒店」の3代目・小林健太さんにお話を聞いてきました。
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小林 健太さん

12年の会社勤めを経て、2017年6月から若松屋酒店の3代目になる。
3代目になる前に行った全国の酒蔵巡りをつづったブログが秀逸。→こちら
SAKETIMES」でも執筆されてます。

お店に入ってからは毎日お酒のことしか考えられないそう。


2代目利彦さんもお店にいたので、お話を聞かせていただきました。
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創業45年の酒屋さんの歴史


― 創業された時のことを教えてもらえますか?

2代目: 昭和47年に父(初代)がここで開業しました。

当時、この辺は住宅が建ち始めた頃で、酒屋というよりは大工さんたちのお弁当がよく売れていたようです。

私は高校生だったので、父と一緒に酒屋を始めた感じでした。



― 創業から45年経過する中でお店の変化はありましたか?

2代目: 初期の頃は免許に守られてる業態でしたね。価格も横並びで。
酒屋は高島平だけで15件以上ありました。

それから、売上の70~80%以上あった【ビール】がディスカウントストアに持っていかれるようになり…

これからはビールに頼った酒屋は成り立たないと考えて、私の代で日本酒に特化した店舗に変えたんです。

現在はこのエリアでいわゆる「酒屋」は2~3軒です。


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若松屋酒店の店内のようす。



― スーパーやコンビニ、ネットが溢れている環境でどんなことを感じますか?

2代目: 日本酒も段々とネットで買う方が増えてきました。

酒屋さんとして成り立っているお店は、お客さんとのつながりを大事にしている酒屋さんが多いですね。
お客さんのニーズを聞いて、提案していく、酒屋もそういう時代になったと感じています。




3代目店主・健太さんってどんな人?


― 12年会社勤めをして、実家の酒屋を継いだきっかけは?

3代目: 戻るかどうかは悩みましたね(笑)
バトンをつなげていきたいなと純粋に思って戻ってくることを決めました。



― 店に入る前に行った「酒蔵巡り」は武者修行みたいな感じだったんですか?

3代目: そうですね。無職だったので、主に青春18きっぷを使って周りました(笑)
一番大変だったのはアポ取り、その次に移動です。
酒蔵は朝が早いので、前日から近くにいないとなので。


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3代目: お店にお酒が並ぶと、同じように見えるんですけど、この一本一本の背景に人がいて、考えがあって、設備や技術があって、地域の文化があることを考えるようになりました。

優しい人が造るお酒は優しいお酒に、豪快な人が造るお酒は豪快なお酒に、家族で小さく造っているところは温かみを感じるお酒だなと…。

人が酒に生きてる、それを知れたことが大きかったです。


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― 修行の成果を若松屋酒店としてどのように生かしたいですか?

3代目: 蔵元さんが一生懸命造ったお酒を良い品質で管理していくこと、価格は値引きや上乗せせず正規の金額で販売すること、この2点は大前提として、蔵元さんの想いやお酒の楽しさをお客さんにお伝えしていければ。


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昔ながらの酒屋さんだからできることって?


― 昔ながらの酒屋さんにはどんな相談ができるんですか?

3代目: ご自分で飲まれるお酒についてはあまり相談されないんですよね。

相談が多いのは人に贈る時や、誰かと一緒に飲む時です。
ご親族、ご友人、誰かと飲むことを想定して、相手に喜んでもらえるにはどうしたらいいか?

相手の方の年齢や好み、出身地、もちろん予算もお聞きした上で選ぶお手伝いをしたいです。

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ギフトセット。



― 出身地ってけっこう影響大きいのですか?

3代目: その地のお酒はその地の料理と合うので、馴染みやすいですね。
例えば九州だと甘い醤油が多いんですけど、それにあうような濃いお酒だったり。



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― Amazonやスーパーでできないこと。昔ながらの酒屋だからできることって何ですか?

3代目: 美味しいお酒の味や香り、食感を造るのは蔵元さんのお仕事だと考えています。

残りの【美味しい】の要素って、どうやって保管しておくか、誰と飲むか、どんなシーンで飲むか、何℃でどんな器で飲むか、など環境によるんですよね。
お客さまのニーズをくみ取り、提案していくことで美味しさのお手伝いをしたい。

直接対面して、人の顔が見えるからできること。
自分がどう伝えるかが美味しさに影響してくると思うのです。


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― 素人でもわかる、良い酒屋の見分け方を教えてもらえますか?

3代目: 「価格」と「温度管理」が適正なのが良い酒屋さんです。

(正規店で買って転売しているお店は定価より高くなるので、)商品が定価で売られているか?
夏でもきちんと温度管理がされているか?

あとは季節のお酒をきちんと置いてるか?
季節のお酒を勧めるには自分で飲んでないとちゃんと説明できないです。
そういう意味では、定番のお酒だけの方が楽なんですけどね(笑)


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涼し気な夏のお酒。試飲もできます。


良い酒屋の見分け方まとめ

・定価で販売している
・冷蔵庫が充実している
・店内が涼しく保たれている
・入り口を開け放していない
・お酒の説明ができる
・季節のお酒がある




― 板橋の人たちへメッセージをどうぞー!

3代目: 楽しくお酒を飲んでほしいです。

お酒を楽しむって高い酒を飲むことではなくて。
ビール1本買って帰るのいいし、ご夫婦であればサプライズでワインや日本酒を置いておくとか、そういうちょっとしたこと。

楽しむための敷居って低いと思うんですよね。
誰かと一緒に「これは辛いね」「それは甘いね」だったりお話してもらえるとうれしいです。


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若松屋酒店

板橋区高島平5-53-2
03-3938-7209

営業時間: 9:30~19:00

定休日: 水曜

配達:
3,000円(税抜)以上のご注文で以下のエリアに配達をいたします。
・高島平1~9丁目
・大門
・三園1~2丁目
・新河岸1~3丁目
※ご注文はお電話でお願いします

オフィシャルサイトはこちら
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3代目店主・健太さんのオススメを飲み比べてみた。


最近、こんなもの作ったんですけど...。

そう言って見せてくれたのがこちら↓
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健太さんオリジナルの日本酒のバランス表。
すごいわかりやすい!

その銘柄の中でもいろんな種類があるので、必ずしも当てはまらないそうですが…
外国人の方もこれを観たらわかりやすいですね。

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このカテゴリーごとの特徴的なお酒を試飲させていただきました。
甘くて爽やかなものから、辛くて重いものまで、それぞれのイチオシ。



1本目 MIYASAKA

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1本目は長野県諏訪市のお酒「MIYASAKA」。

miyasaka
「軽い」「甘い」カテゴリに分類されています。

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うん!甘くて飲みやすい。

3代目: リンゴ酸が効いているんですよ。
お酒って最初に甘みを感じて、次に酸味。それから旨味が出て、最後に辛味やキレが出てくることが多いんです


このお酒は、最初は甘みと酸味で飲みやすくて、後半はクラシックなキレがくる。
若い人が好きなモダンさと伝統的なキレが融合されたお酒。
お肉やフライなど、脂のある食事とも合いますよ。



2本目 久保田(千寿)

皆さまご存知の定番。新潟県長岡市のお酒「久保田」(千寿)。
kubota
バランス表のほぼ中心ですが、若干「軽い」「辛い」カテゴリに入っています。

千寿とか百寿ってどう違うんだろう...?

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3代目:造り方や、熟成期間などの違いがありますが、大きく違うのはお米の磨き方の違いなんです。
「百寿」「千寿」「萬寿」と、より中心の部分だけを使うことでグレードが上がります。


飲んでみると…

あ、さっきと全然違う!
甘さは感じない。


3代目:料理と一緒に食べるには香りは穏やかな方がいいと考えて造られています。
香りは押さえめ、すっと口の中に入ってきて、舌の上で旨味と少しの重みを感じて消えていきます。


― 料理の引き立て役になる感じですか?

3代目:そうですね。
このお酒のよさって、人と人との会話をもってくれるところ。

例えば、甘いと水が欲しくなったり、辛いとつまみがほしくなる。
でも、これ1本あればずーっと飲んで話すことができる。
会話に寄り添ってくれる1本だと思います。



3本目 黒牛(くろうし)

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3本目は和歌山県海南市のお酒「黒牛」(くろうし)。

kuroushi
バランス表では、「重い」「辛い」カテゴリに位置しています。


おう…、ずっしりきますね。
イメージする日本酒らしいお酒かも。


3代目:重くて、味の濃いタイプの純米酒です。
味の濃い料理に負けない強さがあります。
焼き鳥やステーキなど、お肉料理との相性も良いです。



4本目 嘉山(かやま)

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最後は新潟県新潟市のお酒「嘉山」(かやま)。

「甘い」「重い」カテゴリのお酒なんですが…
kayama
バランス表を見ると、異端児っぷりがはんぱない!

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うぉ!
たしかに甘くて重い!
飲んだことない感覚…。


3代目:日本酒ファンだけでなく、あまり日本酒を飲まない方にも、「こんな日本酒もあるんだ」と知って欲しいお酒です。
そのまま飲んでも美味しいのですが、少し重いと感じる場合は、トニックウォーターで割っても美味しいんですよ。
少しの氷を入れたり、炭酸で割ったりもありです。




いやー、4種類全然違いますね。
これだったら、素人でも利き酒で当てられそう。

プロの方から説明を聞いて、試飲できるって楽しい!
試飲できる種類は時期によって違いますが、飲みながらいろいろ相談してみましょう。

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店内にはジャパニーズジンなんて変わり種も。
京都の「季の美」、鹿児島県の「和美人」。
飲ませていただいたけど、柚子や山椒や赤しそなどなどで造られていてすごい芳醇でびっくり!
これはスーパーやコンビニには置いてないでしょう。

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こだわりの「本みりん」も置いてあります。
上品な甘みと香りでいつもの料理がもっと美味しくなるんですって。




さいごに


私自身、お酒を買うのはコンビニかスーパーかAmazonかでした...。
でも、酒屋さんの魅力を知ると考え方が変わります。

酒屋さんって少し入りづらいというか、オープンじゃないイメージ。
でも、それが丹精こめて造ったお酒を管理する正しい姿だったんですね。

若き3代目・健太さんが仰っていた「お酒を楽しんでほしい」「買いに来るのはうちじゃなくてもいい」という言葉がとても印象的でした。

昔ながらの酒屋でいろいろ相談して、選んだお酒をお家で楽しむって素敵ですよね。
今日の帰りは、おみやげに1本買ってみませんか?

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若松屋酒店

板橋区高島平5-53-2
03-3938-7209

営業時間: 9:30~19:00

定休日: 水曜

配達:
3,000円(税抜)以上のご注文で以下のエリアに配達をいたします。
・高島平1~9丁目
・大門
・三園1~2丁目
・新河岸1~3丁目
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