【オレに書かせろ!vol.9】中仙酒場 串屋さぶろく 長岡オーナー

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いたばしTIMESのコラム企画「オレに書かせろ!」

板橋の”食”に関わる人たちが、その人のスタイルと言葉でお店のこと、板橋のこと、自分のことを発信します。

これまでの記事はこちら



こんにちは。
都営三田線の本蓮沼駅前、国道17号沿いにて「中仙酒場 串屋さぶろく」を営んでおります、長岡雅也と申します。


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私、板橋には縁もゆかりもございません。たぶん。
本蓮沼にはあったんですが、北区の人間でした。


saburoku


中学生の時に稲中の後ろの都営住宅に引っ越して来まして、そこから通った高校生活で(雨の時は)本蓮沼を使っていました。

普段はチャリ、時折原付きで通学。
旧中山道をビューっと進んで、板橋を抜けて西巣鴨の交差点を右に曲がったところにある都立の高校に通っていました。

そして同じように帰りは旧中山道を通るのですが、ヤスダの前でなぜかチャリを降りる高校生でした。


まあ、毎日それではいけない訳で、そうしなかった日はやっぱりもう少し先にあるベローチェで、当時の僕の財布にも優しい180円のコーヒーを飲んでずっと喋ってる、そんな毎日でした。



食べ物やさんになりたい。
料理を作れる人になりたい。
(本当は勉強したくない)



そんな想いで、
当時も割と進学校(今はバリバリの進学校)だった学校から就職を選び(確か学年で2〜3名)、無事世田谷に本店を構える某高級鮨チェーンに就職。
板前修業を始めるのでした。


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@中仙酒場 串屋さぶろく


なんで洋食でなく和食だったのか?
それは小さい頃、母に連れて行ってもらったお寿司屋さんでの体験でした。

「いらっしゃい!」
かっこいい(ちょっと怖そうな)板前さんの掛け声!
お店の中は賑やかで、お客様はみんな楽しそうに食事をしている。


威勢のいい掛け声
賑やかな店内
お客様同士の笑顔


こんな仕事がしたい!
こんな空間に身を置きたい。
(板前がどんな仕事かわかっていなかったけど)

そう思ったその日の体験が板前になりたいと想いを募らせるきっかけでした。


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@中仙酒場 串屋さぶろく


さてさて、結構な長い前置きでしたが板前さん(の小僧)になったのでした。
板前(つまりは飲食に身を置く)になるということは、いずれ「独立」となるのですが、少し独立についてのお話を。

飲食での独立にはどんなイメージがあるでしょうか?


「すごく簡単!」
(→大嘘です)


「衣・食・住」だし、人間の生活からは切っても切り離せないから潰れにくい。
(→だからこそ厳しいのです)


「居抜き(※)とか使えば結構安くできる」
(→そもそもなぜ閉店したのかはかなり重要!)

(※) 閉店したお店をそのまま使うこと



私たちのビジネスの本質のお話になるのですが、いわゆる原価30%説(今はいろいろあります。俺のイタリアンのように80%もかけるとか!)を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

100円で仕入れたものを300円程度で販売する。その差額の200円を利益としていただくことでビジネスとしていく。


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@中仙酒場 串屋さぶろく


どんなビジネスにおいても利益は必要です。
働く方誰もが、それはご存知だと思います。


買ってきたものをそのままの価格で売ってもその人は生活できません。
仕入れに行く交通費もかかります。

一次産業に身を置く方でも、原価はゼロに近くても費用(例えば漁師さんでしたら船の燃料とか)が結構かかります。

つまり、程度の差はあれど利益を上げていかないといずれジリ貧になります。


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2017年8月1日にオープンした「豚ホルモン焼き専門店 ごぞうろっぷ」


では、私たちは利益を得るのが当然だから200円ください!といって簡単にもらえるものでしょうか?

もしかしたら、昔はそれでもよかったのかもしれない。
高度成長期からバブルの時代だったらそれでもよかったのかもしれません。

今はその利益、いわゆる付加価値をどのように表現していくのか、どのようにお客様からいただくのか?

そこが重要なんです。
「食」は人間の生活には切っても切れない立ち位置です。
だからこそ逆にいうと、付加価値を乗せにくいのです。


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@中仙酒場 串屋さぶろく


缶ビールが250円で買えるとして、居酒屋でしたらだいたい500円。
その250円の差額分を黙って払ってくれるお人好しはそんなにいません。

昔は当たり前だったけど、今は違います。
知ろうと思えば「原価」ですら簡単に調べることができますね。

お客様が簡単に原価を知ることができること。
我々飲食業の難しいところはここなんです。


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2017年3月17日にオープンした「鶏と酒 かんろく」


今時、洗濯機が壊れたから洗濯板で洗濯をしようとはおもわないでしょう。ではずっとコインランドリーにすると考える方も少ないと思います。

同様に冷蔵庫にビールがないから「飲みに行こう」ではなく、選択肢に「買いに行こう」が来るのです。
(嗜好として)毎日飲むから毎日居酒屋に行こうとは絶対なりません。
飲食業は日常生活に近いから、その分付加価値を感じづらいのです。

レストラン(うちは居酒屋ですが、何か?)での付加価値は何を持って感じていただくか?

レストランという言葉を紐解いていくと、英語ですとrestoreレストアー(回復する)という言葉が語源と言われています。

お客様の元気を「回復する」きっかけになる場所として付加価値を提供していくこと。
これが私たち飲食業に課せられた使命だと思っています。


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@鶏と酒 かんろく


お客様が元気になる場所がたくさんあれば、街そのものが元気になります。(と信じています)
街レベルで元気な場所が増えれば、その都市が元気になり、延いては国、日本が元気になります。
私たち飲食業が、居酒屋が国を元気にできるのです!

今、この仕事が楽しくて仕方ないです。
毎日毎日がこれ以上ない刺激と興奮で最高な日々です。

こんな機会をいただけていることに感謝しています。


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@中仙酒場 串屋さぶろく


独立して早いもので7年になります!
(今度の11月4日で8年目!その付近の日でもちろん当日も創業祭やりますよっ!)


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しかし、順風満帆にこれたわけではありません。
次回はその辺をお話できたらと思います。

ありがとうございます!


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中仙酒場 串屋さぶろく
住所:板橋区蓮沼町8-1 
営業時間:17:00~24:00
定休日:原則無休
席数:70席
公式サイトはこちら

鶏と酒 かんろく
住所:板橋区板橋2-65-5
営業時間:11:30~14:00、17:00~23:00
定休日:原則無休
席数:44席
公式Facebookはこちら

埼玉県加須市松村牧場直送
香り豚一頭買い 豚ホルモン焼き専門店 ごぞうろっぷ

住所:板橋区泉町6-13
営業時間:17:00~24:00
定休日:原則無休
席数:20席
公式Facebookはこちら




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