今年(2020年)は三密を防ぐために大勢でかつぐお神輿は出ません。
お神輿をかつがずバッグをかつぐ「ワッショイ!トート」が話題になっています。
ときわ台天祖神社さんと、板橋にゆかりのあるクリエイターの方々で立ち上げた【tokiwadai OMATSURI project】がつくった「ワッショイ!トート」。
お神輿(みこし)は、「神様に街を見て歩いてもらう」ために、神様をお神輿に乗せる御魂(みたま)入れという神事を行い、街で担がれています。
今年のお祭りは、新型コロナウィルスの感染拡大防止のために、お神輿が街には出ません。
それでは、今年はバックに神輿の絵をプリントして、街の人たちにバックを肩にかけてもらい、街に出歩いてもらおう。
そして、神様に街を見て歩いてもらおう、というコンセプトでバックをつくろうと考えたのでした。
(ときわ台つ・つ・つガーデンFacebookより)
なんて素敵なコンセプトなんだろう…!
その背景となる神社のお祭りについて、社報「神明(しんめい)さま号外」で発信されています。
以下、引用文にて紹介させていただきます。
今年の「お祭り」のコト
今年は簡素なお祭りとなりますが、省略される行事は一つもありません。
みなさんは「お祭り」というと、どのようなイメージを持っていますか?
お神輿や金魚すくい、立ち並ぶ露店やその賑わいでしょうか。
「◯◯祭」という言葉を使った行事やイベントはたくさんあります。
でも、こうした祭りは「神さま」のいない祭りです。
「お祭り」とは何でしょうか?
「祭」という漢字を分解してみましょう。
肉 + 又(手) + 示(神さまをまつる祭壇)
このように「祭」という漢字は、祭壇にお供えものをして神さまをまつることを表しています。
示偏はネ偏とも言いますが、祭のほか、神、祠、社、斎など神さまに関係がある漢字に使われていますね。
本来の「祭」は、その字が示すように、神さまに対して、お供え物をして「感謝」や「祈り」を捧げるものです。
神社では、毎日神さまにお供えものをして、お祭りをしていますが、中でも最も大きい「一年に一度の祭」が9月21日に行われる「例祭」という祭りです。
これに付随して、町内各所でお神輿や山車、お神楽や様々な神賑わい行事が、地域の人々の手によって行われるのです。
境内に露店が立ち並ぶのも、この例祭に最も近い週末で、こうした行事はもともと9月21日の例祭に際して行われるものです。
今年は、こうした行事がないので、「お祭りが中止で残念だ」と思う方もいらっしゃるかも知れません。
けれども「祭」は中止にはなりません。
神さまにお供えをして「祈り」や「感謝」を捧げる「祭」は何も省略せずに行い、神輿に代わる神幸(じんこう)行事を行います。
神社で行う「例祭」は、地域代表の限られた方しか参列できませんので、毎年行われているこの祭を知らない人も多いかもしれません。
けれどもこのお祭りで最も「核」になるのは、神さまに対する感謝や祈りの部分です。
今年もいつも通り「例祭」を行うので、お神輿や露店が出なくてもお祭りは中止ではないのです。
『日本三代実録』という歴史書があります。
『日本書紀』から数えて六番目の国家の正史です。
これを読むと9世紀の清和天皇のころ、今と同じように疫病や地震、津波、火山の噴火という天災に次々とみまわれたことが記されています。
そしてこうしたくり返し起こる天災に対して、当時の人々が神仏に祈りを捧げている様子が記録されています。
科学がこれほど進んだ今でも、様々な自然災害や新型コロナウィルスで、誰もが悩み苦しみまた不安に思っています。
今年の「例祭」は、「感謝」とともに早く平穏な日々を取り戻したいという「みんなの願い」をこめて祈ります。
海川山野でとれるたくさんのお食事と美味しいお酒を「神さま」にお供えして。
ときわ台天祖神社
宮司 小林 美香
「ワッショイ!トート」はときわ台天祖神社の神楽殿の隣で、一つ1000円でお分けしています。
※このバッグの収益金の一部は「守ろう東京・新型コロナ対策医療支援寄付金」に寄付されます
社報「神明(しんめい)さま号外」を読むと、言葉が体の中にスーッと入ってくる…。
お祭り本来の意味を考えるよいきっかけになりました。
「tokiwadai OMATSURI project」についての情報は「ときわ台つ・つ・つガーデンFacebook」で、例祭の9月21日まで毎日発信していくみたいです。
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