赤塚新町にある染物工房「Foglia(フォリア)」の見学に行ってきた。

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こんにちは!よっしーです。

赤塚新町に、染物品のデザインや制作をする工房「Foglia(フォリア)」があることをご存じでしょうか?

その工房を主宰しているのが、染物作家・仁平幸春(にへい ゆきはる)さんです。

写真:foglia公式サイトより

仁平 幸春(にへい ゆきはる)さんプロフィール

1965年東京産まれ。都立工芸高校デザイン科卒。いろいろな職業を経験後、本格的イタリア料理の店で働いていた際に自分が日本人である事を強く意識するようになり、和装染色の道に。1994年独立。

伝統的な技法を用いながら、古典をベースにした現代的なデザインで人気を集める作家さんです。

染物以外にも絵画の作品も制作。過去にはNHKBS「美の壷」への出演や、数多くの書籍や雑誌で特集されています。

そんなすごい作家さんがなぜ、板橋区に工房を…?

と思っていたところ、昨年12月末に工房を3日間限定で一般公開していたので、見学に行ってきました!

地図ではここ↓

板橋区赤塚新町2-14-7 龍園ビル401です。

※記事は下に続きます

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成増駅南口から徒歩10分弱、川越街道ほど近くにあるビルの4階にひっそりとありました。

中へ案内してもらうと…。

おお!広い部屋に長〜い布が広がってる!

この長い布は「名古屋帯」という種類の帯の制作過程とのこと。

この工房で、着物や帯など「和装品」のデザインから完成まで、ほとんどの工程を行なっているそうです。

こちらの工房で出来上がった作品の一部を実際に見せていただくことができました。

仁平さん作、名古屋帯「アンティークレース(no13)」(2014年)。
「アンティークレースを、和装と日本の伝統的染色技法に、いかに落とし込んで仕上げるか、を考えました。」
(解説:作品集インスタグラムより)

仁平さん作、名古屋帯「日月紋」(2016年)。
「本阿弥光悦の謡本の挿絵に良くある、雲母や金粉を木版押しした感じのモヤモヤしたニュアンスで、漆器などに良くある『日月紋』を表しました。」
(解説:作品集インスタグラムより)

弟子の甲斐さん作、名古屋帯「草花レース」(2019年)。
「フォリアでは定番のレース文様です。薔薇がモチーフのロマンティックな仕上がりです。」
(解説:作品集インスタグラムより)

甲斐さん作、名古屋帯「染め分・水鏡」(2020年)。
「古典的な割付のデザインです。染め分ける際のロウの線の白が効き、線のよろけ具合が味になります。少しグレイッシュな水色が印象的な涼やかな作品です。」
(解説:作品集インスタグラムより)

どの作品もとっても繊細で、その美しさに目を奪われます。

工房の中も案内してもらいました。

作業をしやすいよう、作業部屋は色々と改造してあるそうです。

窓には光を柔らかく取り入れるために「ネパール紙」を貼っていたり。

窓の前に立つ銀の棒は、染色をするときに布を留めるために立てたもので、取り外しが自由にできるようになっていたり。

この机は下から照明を当てたり、外したりが簡単にできるように加工がされているそうです。

「工房」って学校の美術室のような、モノがたくさんあって雑多なイメージがあったのですが、Fogliaは快適に作業するための整理や工夫が凝らされていました。

左:弟子の甲斐さん、右:仁平さん。

詳しくお話を聞かせてもらいました。

弟子の甲斐凡子(かい なみこ)さんは独立してからも、工房で制作を行なっています。

以前は都心の方に工房を構えていたものの、二人が作業するには手狭になったこともあり、広い部屋を探していたところ今の赤塚新町のビルを見つけて移転。

「Foglia(フォリア)」という工房名はイタリア語で「花びら」や「葉っぱ」という意味で、前知識無しに直接作品をちゃんと観てもらえるように、あえて日本を連想させない工房名にしたそうです。

どのようにこの工房で染物が出来上がっていくのか、解説していただきました。

(1)図案

写真:仁平さんのnoteより

(2)使う生地の採寸

写真:仁平さんのnoteより

(3)生地への下絵写し

写真:仁平さんのnoteより

(4)糸目糊置き

写真:仁平さんのnoteより

(5)糸目糊への地入れ

(6)生地への友禅地入れ

(7)色挿し

写真:仁平さんのnoteより

(8)挿し色の定着のための蒸し

(9)文様の糊伏せ・あるいはロウ伏せ

写真:仁平さんのnoteより

(10)地色の引染め

写真:仁平さんのnoteより

(11)地色の定着のための蒸し

写真:仁平さんのnoteより

(12)生地の洗浄

写真:仁平さんのnoteより

(13)湯のし

写真:仁平さんのnoteより

(14)金仕上げなどの仕上げ

写真:仁平さんのnoteより

と、と〜っても細かい工程を経て、完成します。
作品によっては、完成までに数年かかる場合もあるとのこと。

オーダーメイドにも対応していて、例えば持っている着物に合わせた帯が欲しい、またはその逆で、帯に合わせた着物が欲しい、など細かい相談にも乗ってくれます。

iPadを使って、その場でどんどんお客さんの意見を聞きながら構想を練り上げていくこともあるそうです。
これなら、着た時のイメージもしやすそうですよね。

お客さんの「呉服資産を運用する」をテーマに、コミュニケーションをしっかり取りながら制作を進めています。

普段は工房は公開していませんが、作品が見たい場合は取扱店の紹介をしてもらえたり、予約をすれば工房で実際に見ることもできるそうです。

今年は都内のギャラリーにて工房展を行う予定もあるとのこと。

SNSでの情報発信にも力を入れていて、ツイッターインスタグラムでもたくさんの作品を見ることが出来ます。

また仁平さんのnoteでは、活動内容や考え方、「工房給食」と呼んでいる工房でのお料理のことなど(これがまたとっても美味しそう〜!)さまざまなテーマで想いが綴られています。

甲斐さんは仁平さんのことを「親方」と呼んでいて、とっても良いコンビネーション。

いわゆる「伝統工芸の職人」には近づきがたいイメージもありましたが、お二人は和装品の知識がない私のような素人にも嫌な顔ひとつせずたっぷり解説してくれて、気がつけば見学は4時間近くに。

作品作りのこだわりから伝統工芸にまつわるお話まで、とっても貴重な時間を過ごすことが出来ました。

赤塚新町の工房から生まれる、熱く、素晴らしい作品をぜひ一度みてみてください!

Store 店舗情報

店舗名 Foglia
住所 〒175-0093 東京都板橋区赤塚新町2-14-7 龍園ビル401
電話番号 03-6904-2890
リンク

※記事の内容は取材時のものです。最新情報はお店で直接、または公式情報でご確認ください。